歯周病と肥満の関係
歯周病と肥満は一見なんの関係も無さそうですが実は密接な関係があり相互に作用しているということが分かっています。九州大学で行われた調査結果ではBMIが20未満(やせ、正常)の人の歯周病リスクを1とすると、BMIが20~24.9(正常)の人は1.7倍、25~29.9(肥満1度)の人は3.4倍、30以上(肥満2度以上)の人は8.6倍とBMIが高くなるほど歯周病になるリスクが高まるという調査結果を示しています。
内臓脂肪で作られるTNF-αという炎症性サイトカインは歯周病の重症度が高い人ほど多く検出される炎症性サイトカインでもあり歯周病にも肥満にもどちらにも見られる共通の炎症性サイトカインということが言えます。また新潟大学と理化学研究所は肥満による腸内細菌叢の変化が歯周病における歯周組織の破壊を促進する仕組みを明らかにしたと共同で発表しました。肥満者はこれまでもさまざまな感染症にかかりやすく疾患のリスクを上昇させることが分かっていましたがそうしたリスクの中には歯周病も含まれるということになります。
これらのことより歯周病と肥満は相互的に作用しながらお互いを悪化させる原因となりますので最近太り気味だなと思う方は歯周病への注意も必要です。