むし歯予防の観点からみた卒乳時期の目安
夜間の寝かしつけながらの授乳や哺乳瓶を使って糖分入りのジュースやスポーツドリンクを飲ませる行為は前歯を中心に虫歯を急速に進行させてしまいます。これを我々は哺乳瓶う蝕と呼んでいます。一般的に授乳のみではむし歯発生の大きなリスクファクターではありませんが、離乳食が始まり、砂糖を含むジュースやスポーツドリンクなどを哺乳瓶で取り始めるとむし歯発生のリスクが高まります。とくに寝かしつけながらの授乳はむし歯発生のリスクを高めることになります。理由は就寝中は、唾液の分泌が減少し口内の自浄性が低下することで糖分が歯の表面に長く停滞する事でむし歯にとって好ましい環境を作るためです。このような理由からむし歯予防の観点からみた卒乳時期は目安として生後1歳から1歳半くらいが良いでしょう。しかしこれはあくまでも目安で子供の成長、発達の度合いなど様々な事を考慮したうえで母親等の考えを尊重しながら各ご家庭ごとに判断する事が重要です。